引き継ぐべき事
今日の晩ご飯の生姜焼きを嫁と一緒に作った時にふと祖父の事を思い出した。
私の祖父は今年の1月に94歳で亡くなった。
大正生まれのスーパーお爺ちゃんであった。
スーパー爺ちゃんは、工作や絵画や彫刻など何でも器用にこなすお爺ちゃんであった。
その中でも、共働きの両親に代わり主にしていた料理が美味かった。
この時代の男性が料理を作れるのは珍しいと思うのだが、後から聞いた話では、妻(祖母)を若い時に病気で亡くなり、子供(母)を育てる際に、料理を覚えたとの事だ。
まぁとにかく、色々な料理を作ってくれた。
大体ローテーションになっているのだが、おでんやお好み焼き、餃子にグラタン、唐揚げに、魚のムニエル等
何でも、一から作りそして美味しかった。
特に餃子と手羽先の唐揚げが絶品だった。
餃子に関してはせっせと夕方ぐらいから下ごしらえをして、皮で包んでいる姿が今でも目に浮かぶ。
また手羽先に関しては、祖父アレンジが入っていた。
買ってくる手羽先は普通のスーパーの物なのだが、前日ぐらいから自家製タレに浸し、味付けと肉を柔らかくする下ごしらえを行っていた。
私はそんな祖父の料理で大きくなったと言っても過言でもないのだが、祖父が亡くなった後に問題が発生した。
祖父が作ってくれた数々の料理だが、味付け等々は祖父の頭の中にあり、レシピが存在しなかったのだ。
また、私含めて他の家族も食べる専門になっており、レシピの継承がなされていなかったのだ。
気付けば、懐かしき祖父の味は幻の味になってしまったのだ。
今日作った生姜焼きを食べながら、祖父の料理をもう一度食べたいなと思っていた時、ふと実家の私の部屋にある◯◯なビデオの存在を思い出した。
現在、私の実家の部屋は甥っ子が使っている状態なのだが、万が一私のコレクションがバレたら…と急激に恥ずかしくなった。
このコレクションは私の引き継ぐべき物では無い
今年の祖父の初盆に、回収及び処分とするべき事が1つ増えたのだ。